■□■□■□   フォトダマ通信 Vol.61「太神山不動寺の岩」の巻     ■□■□■□

┏┏┏┏┏┏■┏┏┏┏┏┏■┏┏┏┏┏┏┏■┏┏┏┏┏┏┏■┏┏┏┏┏┏┏■┏┏

2006.5.8 記


裏参道の急な坂道を上りきると、境内には見事な山桜が待っていた。桜の花の絨毯を歩き、
広場にでると不動明王の像といくつかの祠が祀られている。さらに急な石段を上って行く
と、右手上方に木造の建物が見えてきた。ゴツゴツとした岩場に高さ十メートル以上もの
木柱で組んだ見事な舞台造りで、まるで京都の清水寺を思わせる。ようやく太神山不動寺
に辿り着き、お参りをすませさらに上に登ると寺院の背後は巨石群が林立していた…。

岡山から兵庫、福井を経て5月2日、滋賀に入った。大津出身の友人と合流し、我々は太
神山(たのかみやま)不動寺を目指した。友人に依れば、不動寺のご本尊は木造の不動明
王像で巨岩の間に納められていると言う。
大津市街から車で30分も走ると湖南アルプスの山道に入った。所々に赤紫の藤の花が覗
き、眼を和ませてくれる。不動寺入口に車を停め、急な坂道を15分程上ると不動寺の庫
裏に着いた。境内に咲き誇る山桜は、まるで我々を歓迎してくれているようだ。

不動寺の背後は巨岩が林立し、岩は組んだように複雑な絡んでいた。不動寺の屋根は、巨
岩に食い込むように建てられていた。その光景は、郷里群馬の榛名神社の本殿と御姿岩の
形状と似ていた。巨岩に近付くと岩の隙間に人が通れる程の穴がある。胎内潜りだと思っ
た。さっそく中を潜ってから、しばし岩の撮影をつづけた。いつしか、西方に浮ぶ雲が朱
ね色に染まりはじめていた。

我々は下山し、さっきの庫裏を訪ねることにした。庫裏には、七十歳くらいの男性が一人
留守番をしていた。大きな庫裏はいくつもの部屋があり、その中のお不動さんをお参りさ
せてもらう。薪ストーブを囲みしばらく不動寺の話を伺う。境内の山桜は、今年は一週間
程遅れて昨日満開になったと言う。
私は、石や岩を巡っていることを告げると、男性は、ふと「不動寺の中の岩を見せてやる」
と言って鍵を取り出し、懐中電灯を片手に不動寺に向かう。我々は男性の案内で再び石段
を上がることになる。七十歳を過ぎていると言う男性は、杖を突きながゆっくり石段を上
る。不動寺の戸を開け、中を電灯で照らすと護摩壇があり、その真裏に左右に岩が突き出
ていた。その間に小さな祠があり、ご神体の不動明王の像はその中にあるようだ。「ご本
尊は、ご開帳の時にしか開けられないが、せっかくだから金を突いてお参りして下さい」
と言う。

庫裏に戻り、台所をみせてもらう。そこには五つの釜戸があり、正月には多くの参拝者が
やってくる時に使うらしい。しばらく、話をしていると「酒を飲むかい」と聞く。残念な
がら車なのでとお断りし、お茶をいただく。男性は一人で焼酎を呑み始めていた。しばら
くしてお礼を言って庫裏を後にした。帰りがけ、男性は「ご開帳の時に、またいらっしゃ
い」と言って不動寺に関する資料と暦を持たせてくれた。

暗い坂道を下りながら、酒を呑みながら話す男性の言葉を思い起こしていた。
「ここで夜を過ごすのは怖いでぇ、お化けがでるんや。」

いつか、お酒をお付合いさせていただこう…。

               日本石巡礼の途上、明日香にて
                            すだぐんじ拝

※太神山不動寺の写真は、こちらから見ていただけます。
http://ch.kitaguni.tv/u/1871/

◆◇付録『太神山不動明王略縁起(ダイジンザンフドウミヤウオウリヤクエンギ)より
清和天皇の御宇貞觀元年に当山の峯に毎日紫雲がたなびいて金色の光を現しその光らが三井
寺を照らしましたたまたま三井寺造営中の宗祖智證大師はこの奇瑞に感じて杣人を案内に此
山に攀登られ御覧になりましたら山巓に怪岩奇石ごろごろとして連なりさながら鬼斧神工に
成れるが如く南は連山重疊として雲に横たはり碧を拔き翠を爭ひ北は琵琶湖水洋々として遠
浦渺々たるを望みまことに幽邃なる靈地であると暫く信心の床に座して居らるると一人の老
翁が忽然と現れて大師に告げられますに我れ此峯に在りて師を待つこと久し此の林中に奇樹
あり紫雲覆へり夜に入りては必ず金色の光を放ち天照大神日々に此の山頂に来往す眞に靈木
なれば我常に是れを守る師幸ひに此所に到れり相興に此木を截つて不動明王の像を彫刻し此
の巖窟に安置せば則ち無雙の靈地として歩みを此山に運ぶもの諸願成就の望を遂げ憑みを此
尊に懸る人は如意満足の笑を含むと申されました大師は奇異の想で恍惚として居られますと
空中に金色の光り有る人が現れて大師に申されますには汝翁の教に隨つて此木を切り我像を
模作して此嶺に安置せば利益衆生無辺ならんと云はれましたので大師は金人の名を何とか云
ふやと問はれますと金人は我は是れ不動明王なり汝が法器なるを愛する故に此に現ずると云
はれましたので大師は尊容を敬禮して翁と共に不動の尊像を模作されました翁が大師に告げ
られますに我今より師の法を加護すべし我は則ち先に告ぐる所の天照大神なりと申され雲の
中に飛び去られました大師はその御跡を禮拜して造られた明王の尊像を巖窟に移し伽藍を建
立されました則ち杣庄太神山成就院不動寺と號したのは右の事跡奇瑞を以つて名づけられた
のであります之れ当山の権興であつて爾来星霜千百年に垂として今日に至りました因に現在
の本堂は鎌倉時代の初期建久四年の造営で源頼朝の建立と傳へられます大巖盤上に立てられ
た舞台造りの奇構は我國山岳建築の粹であつて重要文化財に指定され昭和八、九兩年度に大
修理が施され面目一新近時湖南第一勝として推称せられて居ります』

●石巡礼の軌跡
4/30…小浜市の若狭姫神社、若狭彦神社を巡拝し八百比丘尼の洞窟、お水送りの鵜の瀬の岩
5/1…原発もんじゅ近くの観音岩
5/2…敦賀の大岩大権現、大津の太神山不動寺
5/3…円山公園でギリヤーク尼崎さんの大道芸を拝見
5/4…三井寺の閼伽井屋、MIHO MUSEUM
5/5…太神山近くの天神川の巨岩、石山寺へ。
5/7…八日市の太郎坊宮
●フォトダマ通信後記
・フォトダマ通信60号の文中に間違いがありました。「トンガリ山」では無く、正しくは
「トンギリ山」でした。慎んでお詫びし訂正させていただきます。


◎「VOICE OF STONE 聖なる石に出会う旅」(新紀元社)をお求めの方へ。

◇本の内容は、友人の音楽家奥村氏のHPで紹介していただいておりますので、参考に
して下さい。
http://www.members.aol.com/nobfile/voiceof/pages/aindex.html

◇本の購入方法は、直接、須田(Ohenro_the_Stone2005@t.vodafone.ne.jp)まで連絡
をいただくか、下記の場所へお問い合わせ下さい。
本の代金は1890円(税込)です。
発送の場合は、別途送料340円(一冊の場合)が発生します。

☆彡☆彡☆彡☆彡
『VOICE OF STONE』を扱って下さる仲間の皆さん。
◆SPACE・侑(群馬・館林市)…日本石巡礼をスタートしてまもない頃、展覧会をさせて頂い
たギャラリーです。電話/FAX:0276-75-3953
SPACE-U HP:  http://www1.ocn.ne.jp/~space_u/ 
      E-mail : space-u@axel.ocn.ne.jp

◇NPO法人東京自由大学(東京・神田)…探求と創造と体験を目的とした様々な講座やワークを開
催しているフリースクールです。
電話/FAX:03-3253-9870
東京自由大学HP:http://homepage2.nifty.com/jiyudaigaku/

◆あるでばらん(岡山・笠岡市)…石好きオーナーの薬効手染め(シルク)のお店です。
電話:0865-65-0896 FAX:0865-65-1460 ご予約はFAX希望。
あるでばらんHP: http://www.aldebaran-well.com/

◇コタン(岡山市奉還町)…岡山駅西口近くにある、THE MARKET内のオーガニックの八百屋さん。
電話:086-255-1100

◆あなんど(徳島・日和佐町)…薬王寺の向かいにあるカレー&チャイ屋・アジアン雑貨のお店です。
電話/FAX:0884-77-2266

◇瀬戸内解放機構
香川県坂出市瀬居町北浦1080
アララト岩海氏の新たなる拠点。
0877-46-5216
HP
http://www10.ocn.ne.jp/~veeten//slo/slomain.html
メール
veeten@alpha.ocn.ne.jp

◆ヒーリングストーンAlice&Anne(愛媛・今治市)…今治駅の近くにあるパワーストー
ンのお店です。電話:0898-31-0579
─────────────────────────────

« 前号次号 »