■□■□■□     フォトダマ通信 Vol.56「出雲の磐座」の巻       ■□■□■□

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2006.3.10 記

天狗山を上るにつれ、登山道の残雪が増してきた。坂道は粘土質のためかなり滑る。
「不思議な構築物」の看板があり、見ると石積みでできた何かの施設跡のようだ。さらに
急になった雪道をどんどん上ると、木が伐採された広い空間に出た。平らな自然石が二つ
あり、まるで供物台に見える。自然石から視線を真っ直ぐ上に伸ばすと、急斜面の山上の
木陰に磐座が微かに見えた…。

3月5日、神魂(かもす)神社の駐車場に着くと、どこからか「ピーッ、ピーッ」と高音
が鳴り響いていた。誰かが、石笛(いわぶえ)を吹いている、そう思った。それにしても
よい音だ。
昨夜、出雲で「いしのかたりべ」をしている時、久しぶりに石笛を吹いたがなかなか音が
でなかった。やはりいつも吹かない、石笛の音を出すのは難しい。
駐車場から岡山の友人に電話をして神魂神社裏手の磐座の場所を教えてもらい、さっそく
機材とムビラを持って神魂神社の脇の坂道を上った。しばらく歩くと右手に学校が現れ、
さらに進むと左手に鳥居が見えて来た。出雲大神とある。手水をして石段を上がると屋根
付きの小さな拝殿があり、その奥に磐座・磐境のような石群が小山に向って広がっていた。
苔蒸す石群は何とも神々しく、三輪山の磐座を彷彿させるものがある。じっくりと磐座群
を撮影し、ムビラを奉納して神魂神社に向った。

神魂神社をお参りするのは10年ぶりくらいになるだろうか。この古社は、出雲の中でも
お気に入りの一つだ。洒落た竹の柄杓で手と口を清め、急な石段を上がると杜に包まれた
神魂神社本殿が現れる。私はゆっく拝殿に向かい参拝し、ムビラを奉納した。
社務所に行こうとすると、「いま弾いていた楽器は何ですか。」と声を掛けられた。一見
旅行者風の三人連れだが、聞けば雑誌の取材で出雲に来ていて話を聞きたいと言う。了解
すると彼らは、ムビラのこと、神魂神社のこと、旅の目的などいろいろな質問をする。ム
ビラのことから説明をしていると同行の女性フォトグラファーは、ひっきりなしにシャッ
ターを押していた。写真を撮られるのは嫌いでは無い。しかし、断りもなく銃弾を浴びせ
るようにシャッターを押す行為は不愉快に感じた。もう一人の女性は、話を聞きながら何
かノートに書いていた。ちょっと覗くと、ムビラや私の絵を描いていた。
どうも、この女性の絵描きを通して出会った出雲の旅をレポートしているように思えた。
最後に、車生活をしながら日本石巡礼をしていると話すと「面白いことをされていますね」
と編集者は興味深そうに答えた。帰りがけ頂いた名刺には、ファッション誌で知られる出
版社名が刷られていた。

彼らと別れ、熊野大社に向かった。神社では、団体の正式参拝が執り行われていて、神主
の祝詞が聞こえていた。お参りを済ませ、御札の購入時に磐座のことを尋ねた。社務所の
方は、天狗山(別名、天宮山)の山頂近くに磐座があり、そこは熊野大社の元宮があった
場所だと言う。丁寧に行き方を教えてくれ、「雪があると思いますので、どうぞ気を付け
てお参り下さい。」と言った。車で10分ほど走ると天狗山登山入口に着く。車を置き、
機材を持って天狗山に向った。

頭上に見える、天狗山の磐座に近付こうと決意し、急斜面を四つ葉いになって上った。雪
の下には隈笹が茂り、斜面はさらに滑りやすい。磐座の近くで3メートルほど滑り墜ちた
が、何とか小枝にしがみつき助かった。ようやく、磐座に辿り着き撮影を終え、ふと後ろ
を振り替えると宍道湖が広がっていた。
雪の山道は、下山のほうが要注意だった。案の定、リュックを背負ったまま仰向けに転ん
でしまった。一瞬、息が苦しくなりうずくまるが急いで機材を点検する。フードが壊れた
だけで、カメラに異常がなくホットする。天狗の悪戯か…。
“残雪や 磐座巡りに イナバウワ”

石巡礼の途上、豊前・求菩提(くぼて)山近くにて。3月12日の米神山(安心院)での
巨石祭りを楽しみにしつつ…
                                                                          すだぐんじ 拝


※出雲大神と天狗山の磐座の写真は、こちらから見て頂けます。
http://ch.kitaguni.tv/u/1871/

●石巡礼と「いしのかたりべ」の軌跡
3/4…出雲 武田ファミリーの方々のお世話のもとサンピーノ出雲で「いしのかたりべ」を
させて頂く。
3/5…武田さんが八年間つづけられている「ひだまり(出雲イスキア)」を拝見し、神魂神
社奥の出雲大神の磐座、熊野大社元宮の天狗山(天宮山)の磐座を巡る。
3/6…出雲市の韓釜(からかま)神社の岩。
3/7…飯南町の琴引山を目指すが途中雪で断念、大田市の掛戸松島へ。
3/8…益田市の染羽天石勝(そめばあまのいわかつ)神社の岩。
3/9…山口市 鰐石の重岩。
3/10…豊前市 求菩提(くぼて)山の磐座を巡る。

◎「いしのかたりべ」と写真展のご案内。
@福岡市のザ ケルツ(Irish Cafe Pub&ケルト・アイルランドの輸入雑貨)で写真展
とスライドトークをします。
★2006.3.14.Tue〜19.Sun
St.Patricks Day Week
アイルランドにキリスト教を伝えた聖パトリックスの命日・3月17日に因んで設けられた
のがSt.Patricks Dayです。
「The Celts」では3/14〜19までSt.パトリックスデーウィークとして祝います。
期間中はアイランドやケルト関係の石の写真を撮り続けいる写真家・須田郡司さんの写真展
「石の巡礼」を開催いたします。3/14には須田さんのお話しとビデオ、3/15にはス
コティシュダンス、3/17はギネスビールが1Pint500円で飲め、3/19にはアイリッ
シュ音楽とダンスを楽しみます。スケジュールは下記の通りです。どうぞお友達などお誘い
併せの上ご参加下さい。(参加費無料)
☆3/14(火)19:00〜20:30
石の巡礼〜お話とビデオ&スライドトーク〜
10年以上に渡りケルトの地や日本各地の聖なる場所の石や岩を撮影しています。今回は特に
1994年制作のビデオ「ケルト巡礼」(10分)なども見ていただきます。
写真家須田郡司写真展《期間中展示》
『石の巡礼』期間中、写真家須田郡司さんのアイルランドやケルトにまつわる石の遺跡の写
真を展示します。
☆3/15(水)19:00〜20:30
スコティシュダンスの夕べ
スコットランドのソシアルダンスで、日本でも多くの人に楽しまれています。レディスステッ
プダンスとハイランドダンスを踊ります。RSCDS公認講師 原田秀子
☆3/17(金)St.Patricks Day
◆限定◆ギネスビールその他のドリンク、500円!◆期間中◆Green Beerも登場!
☆3/19(日)14:00〜15:30
アイリッシュ音楽とダンスの集い
アイリッシュ音楽グループ・プラブサノールの演奏です。アイリッシュダンス講座のメンバー
も一緒にステップを踏みます。皆さんもご一緒にどうぞ!
アイリッシュ音楽グループ、Preab San Ol(プラブサノール)、アイリッシュダンス受講生

St.パトリックスデーウィーク ●協力 日本ケルト協会
3月14日(火)〜19日(日) Open 火曜〜金曜18:00〜
土曜・日曜 12:00〜
◆場所「ザ・ケルツ」
福岡市中央区警固1-1-23上人橋通りKIKUEビル1F
TEL/FAX 092-714-0112
open/closed
平日 17:00〜24:00(オーダーストップ)
土曜 12:00〜24:00
日・祝日 12:00〜23:00定休日・月曜
http://www.celts.co.jp

A《瀬戸大島命の祭》で「いしのかたりべ」をします。時間未定。
瀬戸大島命の御祝(まつり)
時:4月8日9日(土日)所:ミヤウチ・スタジオ
参加者、出店者募集中!
入場料(¥1、000)
出店料(¥2、000)
連絡先 mia313stones@k8.dion.ne.jp
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