■□■□■□     フォトダマ通信 Vol.54「平群の船石」の巻     ■□■□■□

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2006.2.23 記


 大阪から奈良に入り、平群町の道の駅「くまがしステーション」で休憩していると、情
報コーナーに『いにしえ浪漫街道』という案内図があった。見ると、巨岩を御神体とする
石床(いわどこ)神社の写真が載っていた。さっそく、詳しい情報を求め平群町教育委員
会に向かった。中央公民館にある教育委員会の職員に磐座情報を尋ねると、隣りの図書館
に案内してくれた。職員は慣れた手付きで平群町が発行している「ふるさとへぐり再発見」
の幾つかの資料を見せてくれた。先程の石床神社をはじめ、幾つかの磐座が紹介していて、
中でも船山神社の御神体と呼ばれる″船石゛と呼ばれる磐座があった。資料の船石の写真
を見ると、そこに行きたいと思った。

「船石に行くことはできますか。」と尋ねると、職員は「たぶん、今は道が荒れていて行
くのは難しいですね。私は行ったことはあるのですが、生憎仕事が忙しく案内することは
出来ません。」と答えた。
行くのが難しいと言われると、行きたくなるのが、天の邪鬼の心情だ。その日は、久しぶ
りに雨が降っていたので図書館で資料や本を読むことにした。

「ふるさとへぐり再発見」を見ると、船山神社と御神体゛船石″について次のような記述
がある。
平群町の東、矢田丘陵の山麓に、三里大字の安明寺村と中之宮村の氏神として船山神社は
祀られている。現在地は、安明寺村の氏神だった春日神社の所在地で、平安時代に編纂さ
れた『延喜式』に掲載されている本来の船山神社は中之宮集落の南東、東光寺の東側に鎮
座していたという。祭神の船山神が降臨の際、乗ってきたのが「船石」といわれ、東方、
矢田丘陵の8合目付近の東斜面に三つの巨石(自然石)が並んでいて、いずれも、丸木船
をひっくり返したような形状をしているという。資料を見ると、益々、船石への思いは増
してゆく。その夜、道の駅「くまがしステーション」で車中泊した。
翌朝、道の駅で新鮮野菜を購入し、初めに石床神社の旧社地に向かった。越木塚集落の南
側に、高さ約8m、幅約30mの巨岩が露頭していて、巨岩の中程に縦に走る割れ目があ
り、まさに女陰を想わせる。その正面に朱塗りの鳥居が立てられている。この地が式内社
平群石床神社の旧社地で、巨岩の露頭を磐座として祀った神社だ。巨岩の上は、樹々が茂
り小さな杜を作っていた。脇道から上って行くと、樹々の中にゴミが落ちているのは残念
だ。

その後、船山神社へと向かう。船山神社は竜田川左岸の三里集落の山間にあった。船山神
社は、矢田丘陵上にあった船上(船神)神社を合祀したとも伝えられていた。石段を上り
つめると社殿が現れ、向って右端には男根を模した自然石があり、手水鉢は陰石で対にな
っていた。船山神社をお参りし、船石がある背後の宮山へと向かった。
神社の隣りの溜め池の脇道から山に入ると竹林が現れた。中に入ると、台風の影響だろう
かなりの竹が倒れている。竹を取り除きながら進む。竹林の道を過ぎると、しだいに道が
わからなくなってしまった。

昨夜、船石に行くことを季の組の高橋君に伝えると、彼はさっそくネットで調べてくれた
船石情報と地図を送ってくれていた。彼は奈良が地元で、一度、船石にトライしたが行け
なかったと言う。
メールの内容を再読しつつ、微妙な山道を観察する。行き方にはっきりしない部分もある
が、あとは直感に頼りながら行くしか無いと、奥へと向かった。岩場の急斜面を一気に上
りきると、幾つかの巨石があり、そこを過ぎると下方に石積みが見えてきた。もしかした
ら、これが船上(神)神社の旧社地ではないかと思った。もしこれが旧社地であれば船石
は近い。私は、意気を弾ませながらさらに上を目指した。
すると、遠くの林の隙間に白っぽい岩肌が微かに見えた。船石だと思い興奮しながら近付
いてゆくと、三つの巨岩が横たわっていた。
ようやく船石に辿り着くことができた。見ると、確かに丸木船をひっくり返したようにも
見えるが、クジラの形にも似ていた。また、他の二つの巨岩はかなり地中に埋もれていて
かなりの大きさだった。

石床神社の巨岩を陰石とすれば、船山神社の御神体である船石は陽石だ。平群谷の西と東
に相対して位置する巨大な磐座は、平群谷に住む人々にとって豊穣をもたらす神として人
々の信仰を集めたと言う。しかし、道無き道の現状では船石の存在が忘れさられてしまう
のも時間の問題かも知れない。

道の駅「くまがしステーション」の″くまがし゛とは、樫のことだ。古来、平群の山の樫
は、神意を問う聖なる樹木として認識され歌に詠まれていた。
【命の 全けむ人は たたみこも 平群の山の くまかしが葉を うずに挿せ その子】
(『日本書記』景行天皇十七年条)
これは思国(くにしのび)歌で意味は、山遊びに集った人びとが、樫の葉をかざすことによ
り、その旺盛な生命力を自らの身体に感染させ、永遠の生命を享受できることを願った歌だ
という。

その日、平群の石達に生命力をいただけたような満足感に浸りながら下山した。その夜、
学園前で原さん、ゆみちゃん達と大宴会の直会が待っていた…。

           四十四度目の生誕祭を一人、味わいつつ…
                               大津にて

                              すだぐんじ 拝

※船石の写真は、こちらで見ていただけます。
http://ch.kitaguni.tv/u/1871/

●石巡礼の軌跡
2/13…亀岡・鍬山神社の安産石
2/14…大阪・国立民族学博物館と太陽の塔
2/17…奈良・石床神社旧社地の巨岩、船山神社の陽石、船石
2/18…奈良・稲蔵神社の烏帽子石、交野山の巨岩

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