■□■□■□    フォトダマ通信 Vol.52「六甲山の磐座」の巻      ■□■□■□

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2006.2.10 記

六甲山カントリーハウスの人工スキー場は、多くの小学生達で賑わっていた。スキー教室の
授業なのだろう。時折、教諭と思しき人が生徒達に向かって叫んでいる。そんな光景を横目
で見ながら、スキー場の上にある丘に向かった。坂道を上って行くと、所々に石が見える。
やがて丘の上に辿り着くと樹々に下に、磐座が姿を現わそうとしていた…。

2月6日、西ノ宮のNPO古代遺跡研究所所長の中島和子様を訪ねた。中島様とは、岡山の友人
から紹介され何年か前に電話でお話したことはあったが、お会いするのは今回初めてであった。
中島様は三年前に脳梗塞で倒られ、その後、入院とリハビリを経て今は、ご自宅である古代遺
跡研究所でお仕事に復帰されていた。そのような中、突然の私の訪問を歓待して下さった。

中島様は、アメリカの黒人の公民権運動の研究をされていた方で、アメリカ留学中に「国境の
無い世界」を強く意識されたという。また、お父様は古事記研究家・荒深道斉氏の研究をされ
ていて、やがて「国境の無い世界」への思いが、日本の古事記や古代遺跡としての磐座への関
心につながり、お父様の遺志を継ぐ形でNPO古代遺跡研究所を設立されたという。六甲山の磐
座、九州の国見岳の磐座をはじめ、磐座研究とその保存活動をされていた。

ご自宅に伺うと、以前お逢いしたことのある辰巳さんがおられた。辰巳さんとは約四年ほど
前に「さろんあまーと」(神戸)での中村ふみさんとのジョイント展、「かたいものとやわ
らかいもの」展の時、中村さんから紹介された方だった。
辰巳さんは、お連れ合いの映画監督宮田雪氏の映画「ホピの予言」の上映活動をつづけてい
るランド・アンド・ライフの事務局をされていた。監督の宮田さんは、いま施設に入院され
ていると言う。
辰巳さんは古代遺跡研究所で中島様と交流を持たれていたのだ。
その日は、中島様の磐座への熱い思いを夜遅くまでお聞きすることができ、いくつかの資料
も頂いた。そして、お体が不自由なため、辰巳さんに六甲山の磐座の案内を依頼して下さった。

2月7日、六甲駅で辰巳さんと待ち合わせをして最初に向かったのは、「丁字ガ辻」近くの
三国岩の岩門と呼ばれる高さ10mもの巨岩だ。四つの巨石が重ねられた巨岩で、上の岩は特
に大きく全面にわたって小穴が空いていて、これは瀬戸内海の波に洗われた岩を運んだもの
と言われていた。巨岩の上からの眺めは圧巻で、三国岩の由来は昔この岩の上から三国を見
渡せたからだと言う。その後、今は閉鎖した山荘近くの庭にある磐座に向かう。磐座は三つ
の石から構成されていて、そこから瀬戸内海も一望できた。石には太陽の位置によって顔の
彫りが浮かび上がるという。遠くから眺めていた辰巳さんは、石を指差し「足形のように見
えますね」と言う。右側の石をよく見ると、確かに大きな足形に見えた。台風の影響か、磐
座の横に根元から倒れている松の木はどこか痛々しかった。かつて、東の磐座があったと思
われる空間を見てから、我々はカントリーハウスに向かった。

厳かな気持ちで磐座と対峙し、撮影を始めるとカントリーハウスの丘の上は吹雪いてきた。
中心的な磐座を観察すると、石を重ねて組んでいるように見える。磐座の周りはロープで囲
まれ、古代斎場としての趣を醸し出していた。近くには最近作られたと思しき、環状列石が
あり、周辺にも巨石が点在していた。このカントリーハウスの丘の磐座は、「天穂日(あめ
のほひ)の命(みこと)」と呼ばれていた。

初めて六甲山を巡ったが、その周辺の道路状況と施設の多さにはとても驚いた。中島和子様
は、連載されている兵庫神祇第572号「日本文化の源泉としての磐座・磐境」(五)の冒頭
「六甲山は神の山」の中で次のように述べていた。
『いつのころからか「六甲山は神の山」と囁かれてきた。その根拠ははっきりしないが、そ
の囁きが大声に変わったのは、阪神大震災の時だった。日本には古来、人知を越えた疫病の
流行や天災の発生を人の世に対する神の警告とみる思想があった。為政者は早速、祭りを行
い神意を伺って過ちを正したという。戦後、人間の便利の為とは言え六甲山を南北に縦断す
るトンネルを複数掘りさらに阪神間に新幹線を走らせるために巨大トンネルを東西に掘り進
んで、六甲山の体内は文字通り縦横無尽に破壊され、山上にはゴルフ場をはじめ多くの300を
超える会社の施設が建ち並ぶに至った。これでは神の山でなくても、山が怒るのは当然と言
えよう。』

阪神大震災の後、六甲山麓からの湧き水の流れは変化したと言う。さらに、様々な問題を抱
えた神戸空港がもうすぐ開港されようとしている…。

                    日本石巡礼の途上、西ノ宮にて
                                すだぐんじ 拝

※六甲山カントリーハウスの丘にある「天穂日(あめのほひ)の命(みこと)」の磐座の写
真は、こちらから見て頂けます。
http://ch.kitaguni.tv/u/1871/

●石巡礼の軌跡
1/25…出雲大社参拝、武田さんに立岩さんをご案内頂く。
1/26…立岩さん、石宮神社、夫婦岩遺跡を巡拝。
1/27…須賀神社の奥宮の夫婦岩を参拝し岡山へ。
1/28…野崎さんに熊山遺跡、その周辺の崩れた石積み遺跡、安仁神社近くのドルメンをご案
内頂く。
1/29…牛窓、前島の石(大阪城の切りだし跡)を巡る。
2/3…姫路の破磐神社の割れ岩へ。
2/4…高砂の生石神社の「石の宝殿」、神出の雌岡山の裸石神社の「彦石・姫石」を巡拝。
2/6…辰巳さんに六甲山の三国岩、西の磐座、カントリーハウスの丘の磐座をご案内頂く。そ
の後、甑岩神社へ。

●フォトダマ通信後記

★1月8日、琉球大学時代の恩師である仲松弥秀先生(文化地理学・沖縄学)が、享年97歳で
大往生されました。心よりご冥福をお祈り申し上げます。
☆今後の石巡礼は、中国地方から近畿地方にもまたがり、やや不規則な動きになりそうです。
引き続き、石情報をお願い致します。また、出前の『いしのかたりべ』のご注文も承っており
ます。お気軽に須田(Ohenro_the_Stone2005@t.vodafone.ne.jp)までご連絡下さい。

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◇本の内容は、友人の音楽家奥村氏のHPで紹介していただいておりますので、参考に
して下さい。
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◇本の購入方法は、直接、須田(Ohenro_the_Stone2005@t.vodafone.ne.jp)まで連絡
をいただくか、下記の場所へお問い合わせ下さい。
本の代金は1890円(税込)です。
発送の場合は、別途送料340円(一冊の場合)が発生します。
◆SPACE・侑(群馬・館林市)…日本石巡礼をスタートしてまもない頃、展覧会を
させて頂いたギャラリーです。電話/FAX:0276-75-3953
SPACE-U HP:  http://www1.ocn.ne.jp/~space_u/ 
      E-mail : space-u@axel.ocn.ne.jp

◇NPO法人東京自由大学(東京・神田)…探求と創造と体験を目的とした様々な講座や
ワークを開催しているフリースクールです。
電話/FAX:03-3253-9870
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◆ちろりん村栗林店(香川・高松市)…自然食品のお店です。電話:0878-37-2976

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ンのお店です。電話:0898-31-0579
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