■□■□■□    フォトダマ通信 Vol.50「吉備の岩神様」の巻      ■□■□■□

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2006.1.13 記

一月六日、岡山の県道27号線で赤坂町(現、赤磐市)を目指しながら北上していた。
石(集落)の標識を右折し、しばらく走ると惣分(そうぶん)の集落に入った。農作業を
している老婦人を見掛けたので、さっそく車を停めて道を尋ねることにした。岩神様への
行き方を尋ねると、父親と同い年くらいのご婦人は、仕事の手を休め丁寧に道を教えてく
れた。

「七草粥の支度で忙しくなければ、案内してあげるのだけど…。」との言葉に恐縮してい
ると、岩神様には、刀(木刀)が奉納されていることや四月にお祭りがあることも教えて
くれた。挨拶をして、立ち去ろうとした時、「どこからきなすった。」と聞く。「群馬か
ら来ました。」と答えると、「遠くから来たね」と話を続けた。「何年か前になるが、東
京からテレビ局の人達が来たんじゃ。岩神様の処にある“ゆるぎ岩”をなぁ、人差し指で動
かせるような番組を作ったんじゃ。実際は、指なんかじゃ動かせねぇーのに。テレビ局は
面白おかしく”ゆるぎ岩“を紹介してなぁ。ほんとのことを伝えないのは好きじゃねぇ。」
と言った。

ヤラセ番組に立腹しているご婦人の口調は、岩神様への畏怖心のよいなものを感じさせた。
ご婦人にお礼を言い、教えていただいた道に向った。車がやっと通れる細い坂道を上った
処に岩神様の案内板を見つけ、車を停めると、案内板の下には「ハチ・マムシに注意」と
あった。冬の山道は安心して歩けるのは助かる、と思いながら機材を担ぎ山道を登った。
鬱蒼とした森の山道を10分程上ると、石の門が見え岩神様が見えて来た。拝殿の後ろには、
巨石群が佇んでいた…。

岩神様の写真を見たのは、いまから四年ほど前になる。倉敷の阿智神社の斎館での写真展の
折、会場に来てくれた地元の方からいただいた。岩神様の“ゆるぎ岩”の写真は、南部アフリ
カのジンバブエで見たバランシングストーンに似ていた。その頃、岡山には磐座(いわくら)
が随分多いと思っていたが、日本各地の石を巡りながら、その思いは増していた。

八木敏乗著『岡山の祭祀遺跡』(日本文教出版、平成二年刊)や、佐藤光範著『古代祭祀跡
 吉備の磐座』(「磐座」「盃状穴」研究会、平成四年刊)などを見ると、一つの県でこれ
程の磐座が存在するのは珍しい。しかも、これらの本に載っていない磐座もかなりあるのだ。
『きび』とは古代朝鮮語で『恐ろしい』と言う意味らしいが、古代吉備王朝は、大和王朝に
とって恐ろしい存在だったのだろう。多くの磐座や古墳群の存在が、そのことを物語ってい
るように見える。桃太郎伝説は、従わぬもの達を鬼にしてしまうという権力者からみた歴史
観なのだろう。

年末年始、しばらく笠岡市の中村ご夫妻の家でお世話になっていた。石臼での餅突き、大晦
日には美味しい手作り蕎麦を二年ぶりに頂き、深夜、隣りのお寺で除夜の鐘を鳴らした。何
人かの友人達とも再会でき、休息と充電をさせてもらった。2006年の日本石巡礼は、吉備の
国からスタートさせた。

古びた木造の拝殿を潜ると、社殿(本殿)は無く、岩そのものがご神体となっている。畳岩と
呼ばれる巨岩は、高さ約3m、長さ約8m、幅約5mの大きさで割れている。背後にも、多くの
巨岩がごろごろしていた。「ゆるぎ岩」の光景は一際異彩を放っていた。まさにバランシング
・ストーン。自然の神々の造形を感じる。長さ5.2m、幅1.8m、高さ0.9mの巨岩を片手で押
してみるがびくともしない。両手で力を込めて揺らすと、ようやくぐらぐらっと動いた。

岩神様を後にしながら、この一年、思いっきり魂の揺らぎを感じながら石巡礼をつづけよう、
そう自分に言い聞かせていた。

ヒーター無しのフォトダマ号生活だが、友人からいただいたカイロの温もりで、この冬を何と
か乗り切れそうだ。

                    備後の国、福山にて
                              すだぐんじ拝

※岩神様の“ゆらぎ岩”の写真をこちらで見ていただけます。

http://ch.kitaguni.tv/u/1871/


●石巡礼の軌跡

12/29…笠岡の中村ご夫妻の案内で倉敷市(旧真備町)の穴門山(あなとやま)神社近くの
巨石を訪ねる。
樹々の中の巨岩(高さ約4m、幅約10m)は圧巻で、小さな祠には毘沙門天が祠られている。
下の斜面にも多くの巨石群があり、いづれも樹々に覆われていた。

1/2…ふみさんの案内で笠岡の応神山と鎚山へ。1/3…笠岡諸島の白石島に行く。妙見宮の巨
石からミニ八十八ヵ所を巡るとほとんどが石に祠られている。
大玉岩から兜岩を巡るが、白石島は奇岩・怪石の自然の博物館のよう。

1/4…高松の義兄ビーテン氏と吉備津彦神社をお参りし吉備の中山の磐座を訪ねる。元宮磐座
の前で石笛とムビラの奉納。天柱岩、環状石離、奥宮磐座、鏡岩を巡る。その後、中村ご夫妻、
しばちゃんと合流し高松最上稲荷「龍王山」へ。ほとんどの巨石の上に南無妙法蓮華経の石碑。
霊泉穴あり。

1/5…ビーテン氏と倉敷市の盾突遺跡、総社市の鬼の城、鬼の差し上げ岩、石畳神社、岡山市
の庚申山へ。

1/6…赤磐市の岩神様へ。

1/8…赤磐市(旧吉井町)の石上布都魂(いそのかみふつみたま)神社をお参りし奥院の巨岩
へ。美作市(旧英田町)の滝宮の天石門別(あまのいわとわけ)神社をお参りし、旧社殿地
の半球状の割石積み組塚(高さ約2m、直径約3m)磐座と琴弾の滝へ。

1/9…琉大の旧友、原と合流し桃太郎荘近くの玉野市の立石(鉾立岩)に上る。瀬戸内海が絶景。
川辺の家の純子さんと牛窓のカメリアーノさんと瀬戸内市(旧牛窓町)のオリーブ山の八間岩へ。

1/10…純子さんに瀬戸内市の美和神社の磐座をご案内いただき、野崎さまと合流し、岡山市の
亀石神社と水門神社の磐座と総社市の三輪神社の磐座を案内して頂く。

1/11…阿智神社の磐座を撮影し、高梁市(旧川上町)の穴門山神社の岩と洞窟を撮影。

1/12…再び倉敷の穴門山神社の巨岩から、笠岡の応神山の六畳岩、八畳岩を夕日の中で撮影。

◎今後の石巡礼スケジュール・お知らせ・ご挨拶

三月頃まで、中国地方(広島、山口、島根、鳥取、岡山)を巡る予定です。石情報がありました
ら、ぜひお教え下さい。
また、旅の途上に出前の『いしのかたりべ』スライド上映会を開きたいと願っております。
ご興味・ご希望のある方はお気軽に須田(Ohenro_the_Stone2005@t.vodafone.ne.jp)までご
連絡下さい。お待ちしております。

最後になりましたが、本年もフォトダマ通信と共に宜しくお願い申し上げます!
                            
                             須田郡司 拝

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

◎「VOICE OF STONE 聖なる石に出会う旅」(新紀元社)をお求めの方へ。

◇本の内容は、友人の音楽家奥村氏のHPで紹介していただいておりますので、参考に
して下さい。
http://www.members.aol.com/nobfile/voiceof/pages/aindex.html

◇本の購入方法は、直接、須田(Ohenro_the_Stone2005@t.vodafone.ne.jp)まで連絡
をいただくか、下記の場所へお問い合わせ下さい。
本の代金は1890円(税込)です。
発送の場合は、別途送料340円(一冊の場合)が発生します。
◆SPACE・侑(群馬・館林市)…日本石巡礼をスタートしてまもない頃、展覧会を
させて頂いたギャラリーです。電話/FAX:0276-75-3953
SPACE-U HP:  http://www1.ocn.ne.jp/~space_u/ 
      E-mail : space-u@axel.ocn.ne.jp

◇NPO法人東京自由大学(東京・神田)…探求と創造と体験を目的とした様々な講座や
ワークを開催しているフリースクールです。
電話/FAX:03-3253-9870
東京自由大学HP:http://homepage2.nifty.com/jiyudaigaku/
◆あるでばらん(岡山・笠岡市)…石好きオーナーの薬効手染め(シルク)のお店です。
電話:0865-65-0896 FAX:0865-65-1460 ご予約はFAX希望。
あるでばらんHP: http://www.aldebaran-well.com/

★コタン(岡山市奉還町)…岡山駅西口近くにある、THE MARKET内のオーガニックの
八百屋さん。電話:086-255-1100
◇あなんど(徳島・日和佐町)…薬王寺の向かいにあるカレー&チャイ屋・アジアン雑
貨のお店です。電話/FAX:0884-77-2266

◆ちろりん村栗林店(香川・高松市)…自然食品のお店です。電話:0878-37-2976

◇ヒーリングストーンAlice&Anne(愛媛・今治市)…今治駅の近くにあるパワーストー
ンのお店です。電話:0898-31-0579
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