■□■□     フォトダマ通信 Vol.42「トンカラリン」の巻       ■□■□

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2005.08.23記

連日35度もの酷暑がつづいていたお盆の頃、北部九州のいくつかの石を巡っていた。
佐賀は大和町の肥前大和巨石パーク、金立町の金立神社上宮の巨石、正現稲荷神社
の巨石群、福岡は黒木町の霊巌寺背後の夫婦岩。その後、熊本の菊水町にあるトン
カラリンを訪ねた。トンカラリンは不思議な石穴だった。

住宅地の中に、トンカラリンの入り口はあった。
草に覆われた小さな石の穴を見た時、中に入るのをためらった。中は真っ暗で穴は
小さい。ここへ来る途中、道を横切る蛇を見た。その蛇は長さ二メートル以上もあ
る黒い蛇だった。もしかしたら、穴の中に蛇が潜んでいるかも知れない。そう思う
とぞっとした。しかし、せっかくここまで来て石穴に入らないときっと後悔すると
思い、意を決して中に入ることにした。

草むらを注意しながら中に入り、七つの石段を上がると、石積みでできた四角い溝
状のトンネルがつづいていた。小さな懐中電灯では奥まで光は届かなかい。恐る恐
る石を照らしながらゆっくりと這うようにして入る。下部は粘土状になっていて足
は滑り、なかなか前に進めない。身体の大きさを恨めしく思いながら、さらに首に
吊り下げたカメラが溝に当たり邪魔をする。身体を半身にしながら少しづつ動かす
しかなかった。入り口の明かりも見えなくなり、暗闇で穴の中にいる自分を想像す
ると不思議な感覚に陥った…。

そう、それは昨年の春に沖縄で体験した感覚と似ていた。その頃、沖縄のある宮司
さんの案内で沖縄本島中部のガマ(鍾乳洞)巡りをしていた。連日のガマ巡礼は、
驚きの連続であった。ある離島のガマは、これまで訪ねたガマと違っていてほとん
ど、横穴に近かった。何人かとそのガマに入ってゆくと、穴はしだいに小さくなり、
這いつくばった姿勢で体がこれ以上通れなくなるまで進んだ。その後、逆さま状態
で腹ばいのまま後向きでようやくでる事ができた。穴を出た時、その姿がまるで原
始人のようだと、笑われたのを覚えている。

トンカラリンの穴道は、きちんとした切石で造られていた。ようやく、外光が見え
てきてほっとしながら外にでる、辺りは眩しい光が照らしていた。
しばらく、空溝になっている道を歩いてゆくと、高さ三メートル位の縦穴が見えて
きた。中は立った状態で歩けるが道は蛇行していた。しだいに、天井は高くなって
くる。奥へ歩きながら、ふと規模こそ違うがヨルダンのペトラ遺蹟のエルハズネに
向かう道に似ていると思った。そうこうしていると、また四面切石の穴に出くわす。
中に入った瞬間、こうもりが飛ぶ音にどきっとしたが、腹を据えて中へ潜り込む。
やはり、さっきと同じようにぎりぎりの身体を半身にしながら這って進んだ。
途中、ほぼ直角の曲がり角を何とか切り抜けると、外光が見えてきた。無我夢中で
這いつくばって外にでると、しばらく気が抜けたようになった。それは、まさに胎
内回帰としてのイニシェーションの体験に思えた。


『謎の隧道遺構跡 トンカラリン

菊水町、瀬川の鶯原(うぐいすばる)神社近くから始まるこの遺構は、全長445.6m
でトンネル状の地隙や、地下道のような石組み暗渠等が組み合わさった実に不思議な
構造物である。
昭和五十年代に、作家の故松本清張氏が現地を調査して、邪馬台国が記された「魏志
倭人伝」(三世紀に書かれた中国の歴史書)の一節から、「シャーマニズムに関係し
た鬼道ではないか」と推論したことで、全国的にその名が知られた。
しかし、その後の「排水路説」により、ブームは沈静化へ向かった。
再び、トンカラリン論争が甦ったのは、県北部を襲った平成五年六月の集中豪雨以降
である。この時、県北の排水路が甚大な被害を受けたが、トンカラリンには一切の損
害が無く、それは大した水が流れなかった事を意味していた。そこで、農業土木の見
地から、今一度、詳細な再調査が行なわれる事になった、結果として排水路説には、
余りにも矛盾が多いことが判明したのである。

@上部の台地面積が狭いので、流れ出す雨水量は少なく、谷部に、大規模な排水路を
造る必要がない。雨水を取り込みやすいオープンカットの素堀り溝で十分である。
A今日、トンカラリンを築いた場合、工事費の積算額は、二億円近くにもなり、これ
に見合うだけの経済効果を見いだせない。
B排水路は、できるだけ直線的な造りが望ましい。しかし、トンカラリンは、実に数
多くの湾曲箇所(地隙)を伴って蛇行を繰り返している。
C石組の構築物に災害箇所(地隙)が取り込まれており不自然であり、排水路施設は、
この様な造りをしない。
D地隙内に積まれた切り石や、石積み暗梁下部の変化点における角部の整形など、排
水路に不自然な飾り箇所がある。面取りされた切り石は常に闇の中にあり、角部には
削られて、丸みを帯びている。この様に、トンカラリンは再び、我々に問題を投げか
けるのです。皆さんも、是非、この謎解きに挑戦して下さい。菊水町』

と入り口の看板に記されていた。
トンカラリンの名は、石が穴の中に落ちるときの音からきていると言われる。トンカ
ラリンと同じ台地には、朝鮮半島とのつながりがある出土品が出ている船山古墳があ
り大陸や朝鮮半島と関係をもつ古代遺跡ではないかと推測されている。
その後、阿蘇図書館で三池崇史監督作品『熊本物語』というビデオを見た。それは三
本立てになっていて、一つが「隧穴幻想トンカラリン」。トンカラリンの中に青龍神
が住み、人々を守護しているといった内容だった。

それにしても、トンカラリンで蛇とご対面しなくて本当に助かった!

しばらく、九州の山間を走っていた。
8月22日夜、幣立神宮の五色人祭(8月23日)に行こうと阿蘇に入った。
すると、フォトダマ号は左にハンドルが取られ焦げ臭いゴムの匂いがしてきた。急い
で車を停めると、左前タイヤはかなりの高温になっている。タイヤホイルに水をかけ
ると、弾けるような蒸気音と煙りが立ちあがった。どうも、ブレーキを焼いたようだ
った。翌日、荷物を整理しフォトダマ号を修理工場へ預ける。
十年ぶりの五色人祭には、呼ばれなかった。
阿蘇の知らせに耳を傾けなくては…。

          雨ふる坊中にて            すだぐんじ拝

●フォトダマ通信後記

☆8/3 別府でベス、ティラ、ミルク、ラーマと再会し、由布院のラーマ邸で泊。
翌日、ラーマに山香のストーンサークルを案内してもらう。井上香都羅様は、
ストーンサークルの荒れ果てる様を見かねて、この山香の列石を含む土地を購
入し資料館を作り保存されていた。井上様には磐座とストーンサークルを案内
して頂く。また、著書「古代遺跡と神山紀行」(彩流社、2003年刊)までいた
だき、心より感謝申し上げます。
ラーマ、大変お世話になりました。深謝!

☆8/5 あまなの会で坂元さん達と再会。

☆8/8〜9 レインボー2005阿蘇にゆく。いのちの祭りを思い出す。ラッコちゃ
んのドラムを聞かせてもらう。さよこおとなら、チナキャッツ、天空オーケス
トラなどの素敵なサウンドを楽しませてもらい、その夜、阿蘇を旅立つ。

☆8/10 熊本女性センターで木内さんの「やまとなでしこ」公演を拝見。
リヤカーがリアルで二人の掛け合いが面白かった。

☆8/14夕刻 吉野ヵ里歴史公園の南内郭でル・クプルのミニコンサートを拝聴。
ボーカルEmiさんの歌声に魅せられファンになる。その後、東瀬振村の納涼夏
まつりで「狩人」の歌を拝見。エンターテイメントだった。花火に堪能。

●しばらく、打ち合せのため青春18切符で上京予定。


◎「VOICE OF STONE 聖なる石に出会う旅」(新紀元社)をお求めの方へ。

◇本の内容は、友人の音楽家奥村氏のHPで紹介していただいておりますので、参考に
して下さい。
http://www.members.aol.com/nobfile/voiceof/pages/aindex.html

◇本の購入方法は、直接、須田まで連絡
をいただくか、下記の場所へお問い合わせ下さい。
本の代金は1890円(税込)です。
発送の場合は、別途送料340円(一冊の場合)が発生致します。

◇SPACE・侑(群馬・館林市)…日本石巡礼をスタートしてまもない頃、展覧会を
させて頂いたギャラリーです。電話/FAX 0276-75-3953
SPACE-U HP:  http://www1.ocn.ne.jp/~space_u/ 

◆あるでばらん(岡山・笠岡市)…石好きオーナーの薬効手染め(シルク)のお店です。
電話086-65-0896 FAX086-65-1460 ご予約はFAX希望。
あるでばらんHP: http://www.aldebaran-well.com/

◇あなんど(徳島・日和佐町)…薬王寺の向かいにあるカレー&チャイ屋・アジアン雑
貨のお店です。電話/FAX 0884-77-2266

◆ちろりん村栗林店(香川・高松市)…自然食品のお店です。電話 0878-37-2976

◇ヒーリングストーンAlice&Anne(愛媛・今治市)…今治駅の近くにあるパワーストー
ンのお店です。電話 0898-31-0579








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