□■■   フォトダマ通信 Vol.31 「遍路道中物故者供養碑」の巻 □■■  

        
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3月21日、八十八番札所大窪寺から少し手前の遍路道に、二十数人もの人達
が集まっていた。車道と歩き遍路道の分岐する処に自然石の庵治石が建てられ、
そこには「遍路道中物故供養」の文字が刻まれていた。傍にはお酒、鏡餅、
お菓子などが供えられ、これから供養祭が執り行なわれようとしていた…。

3月初旬、二回目の区切り打遍路を終え道の駅「キラメッセ室戸」で休んでい
ると、愛媛の友人から電話が入った。友人は、フォトダマ通信Vol.28「もう一
つの、お遍路」を読んで連絡をくれた。電話の内容は、あるお遍路をされた方
が遍路中に交通事故に遭い、快復後、遍路中に亡くなった方々への供養碑を建
 立したそうで、その供養祭への案内だった。

その案内をもらう少し前、私は今治の大島で行われる「ちょこっと祭り」に参
加することにしていて、タイミング的にちょうど良かった。
高知から愛媛に向かい、大島で「ちょこっと祭り」に参加する。久々にくまさ
ん、香苗さんとも再会し、素敵な時を過ごさせて頂く。

その後、21日の早朝私は来島海峡大橋を渡り、今治で友人と再会し、友人の家
族の方々と共に車に便乗させてもらい香川へと向かった。
友人の説明によると、この石碑の建立を発願した新潟出身の孝子さんという方
には、このような体験があった。

1997年10月、彼女は二回目のお遍路で八十八番札所大窪寺の少し手前を歩いて
いる時、スピードの出しすぎでカーブを曲がりきれない車に跳ねられ、数メー
トルも飛ばされて全治3ヵ月の重傷を負った。奇跡的に助かったが、快復する
まで二年の歳月を費やしたという。その後、事故地に何かあると感じて供養に
行った時、地元の方から「昔、このあたりで遍路バスが崖下に転落して亡くな
った方が何人もおる」と聞いて、彼女は供養碑の建立を決意されたという。
 建立の趣旨文には次の文章が書かれていた。

『お大師さまのご霊跡をつなぐ遍路道は千年の歴史があるといわれます。遍路
途中、あるいは遍路道上で事故に遭ったり、病気になったりして結願できずに
 亡くなったお遍路さんは大変な数になるでしょう。
 かつては不治の病におかされて四国へ遍路となって渡り、遍路道のほとりで亡
 くなった人も多かったと聞きます。
 それにしても八十八番を目前にして亡くなられた方や道で行き倒れた方々はど
 んなに残念であったろうかと、と思います。
 結願寺の大窪寺まであと少しというところで、お遍路の皆様にちょっと立ち止
 まってそんな亡き方々に合掌していただく場、ここまで来ることができたこと
 に感謝する場があればと考えて、建立を思い立った次第です。』
(「遍路道中物故者供養」の碑建立 お知らせとお願い、供養碑会 世話人
  ……孝子 より抜粋)
 
 我々は供養祭が行われる午前10時に間に合い、一緒に参列することができた。
ご縁のある二十数名の方は、それぞれの思いで立ち合っていた。霊山寺の末寺
の僧侶により、供養祭は厳かに執り行われた。参列者一人一人がお焼香をすま
せ、最後に皆で読経をして供養祭は無事終了した。
孝子さんは、これまでの準備期間ずっと雨に降られていて、当日が晴れやかな
天気になったことを喜ばれ、感慨深そうに見えた。孝子さんの思いは、この供 
養碑によって多くの遍路者に伝わってゆくのだろう。

お遍路をされる方々には、さまざまな物語がある。結願の違いはあっても、遍
路者同士はどこか目に見えない何かによってつながっているような気がする。

 愛媛への途中、友人達と讃岐富士の麓にゆくと龍のような雲が見え、帰りの車
 中から彩雲が光り放っていた。

 そろそろ、心してお遍路を再開せねばと思いつつ…。

                                                 2005.3.24 愛媛にて すだぐんじ拝

● フォトダマ通信後記

☆   3/19 今治、大島在住の彫刻家くまさんのアトリエで「ちょこっと祭り」に参
     加させて頂く。
     徳島で会った猛さんとの再会、哲さんとの出会い、明け近くまで楽しく過ごさせ
     て頂く。地元の漁師の方の差し入れのアワビ飯にタコなど、ご馳走になりました。
   くまさん、香苗さんお世話になりました。

☆   この度「遍路道中物故者供養」をご案内下さった愛媛のまゆみさん、かおりさん、
    そして家族の皆さん、ご一緒させて頂きお世話になりました。
    また、お心遣いに感謝申し上げます。

☆ 高松の西原さんと五年ぶりに再会、今後の展開を楽しみにしています。

☆  信州の雲龍さんには、お遍路中に何度か連絡を頂きまして、お心遣いに感謝申し
    上げます。                                

                           すだぐんじ拝
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