■□■    フォトダマ通信 Vol.29 「鬼ヵ岩屋」の巻    □■■□

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山頂の巨石には鉄の梯子があり、そこを上がると阿波南部の山並みと海が広が
っていた。私は裸足になり、剣山のある方角に座りしばしムビラを奉納した…。

3月1日、私は平等寺から御蔵洞までのお遍路を終え、バスと列車を乗り継ぎ
阿南市に戻った。三菱阿南店で修理に出していたフォトダマ号を受け取り、翌
朝、日和佐町に向かった。その日、薬王寺向かいにあるアーナンド(カレー&
チャイ屋)の福田とよじ・久美子夫妻と鬼ヵ岩屋に出掛けることにしていた。
お遍路中、薬王寺をお参りしカレーのお接待を受けながら、お店の休日に近く
の石を案内してもらう話をいただいていたのだ。

心地よい天候の中、我々は鬼ヵ岩屋温泉に向かった。とよじさんは、さっそく
鬼ヵ岩屋の情報を温泉の方から聞き、我々は売店に飾られている航空写真で道
を確認した。鬼ヵ岩屋までは上りで一時間半、下りで四十分位かかるという。
温泉から少し上がった所でフォトダマ号を置き、我々は赤いビニールテープの
目印を頼りに鬼ヵ岩屋を目指した。道はしだいに登山のように狭く、険しくな
ってくる。しばらく歩くと、道が二俣に分かれていた。

右手の山頂に巨岩が見えてきた。しかし、ビニールテープの方向は左側にあっ
たため、その方向に進むと巨石が見えてきた。巨石にはへばり着くように小さ
い祠が祀られている。巨石の横に山小屋があり、ガラスの窓越しに生活道具が
見え、誰かが住んでいるようで近づいて声をかけるが、返事が無い。
しばらくすると「だれかいるの?」声が返ってきたような気がしたが、空耳の
ようでもあった。

その後、我々は巨石の背後にあるいくつかの巨石が巡りながら道を引き返しす
ことにした。さっき右手に見えた山への道を歩くと目印のテープも見え、やは
り山頂の巨石が鬼ヵ岩屋だと思った。山道はさらに急勾配になってきたものの、
我々はまるで吸い寄せられるように山頂へと足を進めた。
しだいに木の隙間から、巨石の姿が現わはじめてきた。山頂周辺には、いくつ
もの巨石が複雑に重なりあい、大きな石は高さ十メートル以上はある。その巨
石は、ぱかっと割れていて、人一人やっと通れる程の隙間があった。とよじさ
んの先達のもと中に入ってゆくと鉄の梯子が見え、巨石の上に上ることができ
た。

巨石の上は畳十畳くらいのスペースがあり、360度見渡すことができパノラマ展
望台状態だった。剣山の方角には、きれいなピラミッド状の山と、その上部だけ
がスパット取れたような山が対になって並んでいる。何かを暗示しているような
形が印象的だ。海の彼方には室戸岬も望むことができる。
一昨日、室戸岬の岬蔵洞にいたことが、不思議に思えてくる。
しばらく風景を堪能してから、久美子さんがにぎってくれたおむすびを美味しく
いただく。

昼食後、巨石の反対側を回ると岩と岩に挟まれた隙間に空間があり、岩の屋根が
ある場所に出た。もしかしたら、これが鬼ヵ岩屋の地名の由来する岩屋なのでか
も知れない。そう思いながら我々は岩屋の中に入った。私はムビラを爪弾きなが
ら、しばらく岩と岩に響きあう音を感じていた。

とよじさんは、岩屋の入り口に落ちていたゴミを拾い、しばし巨石の周りを散策
しているようだ。鬼ヵ岩屋で、それぞれが、素敵な時を味わっている様子はとて
も贅沢な感じがした。
あらためて福田ご夫妻とこの地にご一緒できたことに感謝しつつ山を後にした。

その晩、福田邸でお世話になりながらゆっくりと語り合う。翌日、とよじさんは、
お気に入りの浜辺を案内して下さった。
その後、アーナンドに別れを告げ、上那賀の拝宮(はいぎゅう)の巨石、星の岩
屋へと石巡礼をつづける。

             ふただび室戸の夫婦岩にて
                    2005.3.5  すだぐんじ拝


○●お遍路日記●○

2/24 曇りのち雨。楽音楽日の宮城さんに別れを告げ第十堰「上堰」の石畳を撮影。
   午後、徳島新聞社の沢口さんを訪ね石やお遍路の話を伺う。阿南に入ると激
   しい雨、ランプが点灯し電気系統のトラブルが発生し徳島三菱阿南店にフォ
   トダマ号を預ける。出羽島の西さんにピックアップしてもらい日和佐のアー
   ナンド(カレー&チャイ屋)へ。福田さんとは昨年のWPPD以来の再会。千
   羽温泉に浸かり、福田邸でお接待をいただき泊。

2/25 晴れ。日和佐から太龍寺ふもと中山薬師まで列車とバスで移動。午後からお
   遍路を再開。平等寺への途中、逆打をするお遍路さんとすれ違う。弥谷観音
   の隣に最近作られたドルメンあり。由岐町の由井浜近くで野宿するも、風強
   くテント大揺れ。

2/26 晴れ。木岐の集落で牛乳を買うと、ある方に達磨朝日の写真をもらう。えび
   す洞を見て薬王寺を参拝。石段には一円玉がいっぱい撒かれていた。アーナ
   ンドでカレーのお接待を受ける。牟岐町に入った頃、足首がかなり痛みはじ
   める。鯖大師を参拝し浅川で休憩中、出羽島の西さんから電話を頂きピック
   アップしてもらい、西さんのボート禅丸で出羽島へ。西ご夫妻にお接待をい
   ただき泊。夜、ご近所の坂本夫妻をご紹介いただく。

2/27 朝、出羽島を一周する。蛇ノ枕石、蛙石などを撮影。朝食をご馳走になり、
   別れを告げ連絡船で牟岐町へ。列車で辺川に戻りお遍路。坂本さんに紹介し
   ていただいた、海部町の曹洞宗の禅寺、吉田城満寺でお接待をいただき泊。
   大槻住職は、何年もかけて廃寺状態から托鉢で、城満寺を再興し平成九年に
   本堂を再建されたとのこと。

2/28   朝四時起床、本堂のお勤めに参加させてもらい六時まで参禅。お粥をご馳走
     になりバス、列車で浅川まで戻り、お遍路。天気晴れ。足がかなり痛むが夕
           方治る。お接待でみかん頂く。高知に入り道路添いのゴミと野良犬が目立つ。
   歩き遍路者一人見かける。東洋大師を参拝し、ゴロゴロ休憩場で野宿。

3/1 朝七時出発、ずっと海岸を見ながら歩く。佐喜浜の集落でお年寄りの女性三
   人から「お接待しちゃる」と計510円をいただき、スーパーで食材購入。歩い
         ているとかなり暑い。車からバナナ二本をお接待。室戸市の夫婦岩と久しぶり
         の再会。室戸市に入ると自転車の籠に花束を乗せた高校生をよく見かける。岡
         山で高校教諭をしている友人から本日卒業式とのメールいただき納得。御蔵洞
         の五社神社をお参りし、ムビラ奉納。洞窟から空と海が見える。チャリダー遍
         路を二組見る。大師像前からバスと列車を乗り継ぎ阿南市へ。三菱阿南店でフ
         ォトダマ号の修理代(ダイナモオーバーホール、ダイオード取替、ICレギュ
        レター取替)42000円支払う。洗濯をして阿南の温泉「大和の郷」へ。

●  フォトダマ通信後期
☆お接待宿のお礼
神山の楽音楽日の宮城さま(2/23)、日和佐のアーナンドの福田さま(2/24.3/2)、
出羽島の西さま(2/27)、海部の城満寺の大槻さま(2/28)
暖かいお持て成しをいただきまして感謝申し上げます。すだぐんじ拝 
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