□■      フォトダマ通信Vol.15    松山の巻        □■

        
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「須田さんですよね?」道後温泉の出口で、見知らぬ男性が声を掛けてきた。
日曜の朝八時半すぎ、道後温泉、椿の湯では地元の方々で賑わっていて、お年
寄りの姿が目立った。
椿の湯は道後温泉本館と比べ湯槽の広さが二倍程あり、ゆったりとしていた。
その時、ある視線の気配をずっと感じていた。その視線の主が、声を掛けてく
れた方だった。男性の手元には愛媛新聞が開いてあり、ナテュレでの展示会の
記事と写真が載っていた。

5/26日から松山に入り、今回の合同展を企画してくれた石の彫刻家、くまさん
こと宮内宏さん宅に居候させて頂いていた。宮内さんご夫妻と、何度か散歩を
しながら道後温泉の朝風呂に出掛けた。早朝の松山の街を歩きながら道後温泉
に行くのは、何とも贅沢な時間だった。道後温泉は、朝六時から営業していて
一番風呂に入るため行列を作っていると言う。本館の近くに、地元の人向けに
作られた椿の湯(道後温泉の近くにありお湯質も同じ)がある。その日、くま
さん達と椿の湯に入っていた。


「いやー、お風呂の中でお二人をお見かけした時、何か興行でもしている方な
のかなぁーと思いましたよ。」と男性は言った。
くまさんは、短めの髪にがっちりとした体格で髭をたくわえていた。私はロン
毛の山羊髭。二人とも一般ピープルに見られないのも仕方ない。どうも興行に
来ているプロレスラーだと思っていたらしい。
「まさか彫刻家と写真家とは思えませんでしたよ」と男性は笑いながら名刺を
渡してくれた。男性は、仕事の経営もしながら写真も撮り続け写真歴30年の方
で、載っていた記事に興味を持ってくれたのだ。


今回、くまさんの企画で「石のイワクラ(写真・須田郡司)VS石のオブジェ
(彫刻・宮内宏)   ブレーキの故障した車のような世界の動きに、岩石や地
球からイノチの絶叫!」展と題し5/28〜6/3の期間、松山のメインストリート大
街道添いのカフェ・ナテュレで展示させて頂いた。
くまさんとは、約二年程前フジグラン今治での写真展で、初めてお会いした。
今治の近藤さんのご紹介で本も見て頂いていて、何度か会場に足を運んで下さ
った。フジグランでの写真展はニ週間の長丁場で、連日10:00から20:00まで会
場に詰めていてまるで修業のような日々が続いた。そんな時、くまさんはビー
ルを差し入れしてくれ、会場で飲んでは語り合った。くまさんの彫刻家として
の石に向き合う世界、私自身のイワクラを訪ね歩く世界は、表現方法の違いこ
そあれその方向性(ベクトル)において共通しているものがあった。お互い酒
好きということも重なり、話せば話す程、創造的な刺激を受けていた。その後、
大島の工房に伺い、一年前には、くまさんが主催する「いのちのまつり」にも
楽しく参加させて頂いた。
この冬、沖縄石巡礼の折、今回の松山での合同展の企画を提案して下さった時、
二つ返事でお答えした。

5/27の夜、くまさんと私はナテュレでの搬入と展示を終え、展示会の前祝いで
焼酎を気分よく飲んでいた。日付けも変わった深夜三時過ぎ、くまさんは突然
捜し物を始めた。マスコミ各社のFAX番号を見つけると展示会情報を伝えるべく、
一筆を添え各社に送信をされた。
翌日、オープニングの朝、読売新聞と地元愛媛新聞の記者が連絡をくれた。
偶然にも訪れたふたりの記者は新人で、各々が二時間近い時間を掛け取材をし
てくれた。土壇場の取材依頼での成果は、実にありがたかった。地元メディア
に紹介して頂いたお陰で、色々な方々が会場に足を運んで下さった。


道後温泉で出会った男性は、その日の夕方、奥さんと連れ立ってナテュレに来
て下さった。初めての松山での展示会は、不思議な出会いや、巡り合わせをい
ただきながら中身の濃い時を過ごすことができた。


松山での展示会を終え、しばし愛媛の石巡礼をして、今治、笠岡経由で一路東
京へ向かう。  
久々のチベットつながりの仲間達との再会は、大きなエネルギーを与えてくれた。

       2004.6.13     町田の緑山亭にて  須田郡司拝



●フォトダマ通信後記

☆ 5/28のオープニングに於いて、淡路島より駆け付けてくれた、えま&慧奏
  (二胡・石笛)さん、素敵な演奏をして下さいまして誠に有難うございま
  した。
    また、鋸の不思議な音色を演奏をしてくれたなつこさん、ありがとう!
    オープニングに来て下さった方々にお礼申し上げます。ライブの後、くま
    さん邸で打ち上げをする。明け方近くまで続いた親睦会を楽しく過ごさせ
    て頂く。

☆ ナテュレのオーナー藤山健さんには、大変お世話になりました。藤山さんは、
  フォトグラファーとして十年あまりオーストラリアで生活した経験を持ち、オ
  ーガニックな素材を中心にした素敵なカフェ・ナテュレをオープンしています。
  松山にお出かけの際は、ぜひ立ち寄って下さい。若者に人気のある店です。ま
  た藤山さんは、若いアーティストへの支援もされていてお店には、いくつかの
  アーティストの作品も見る事ができます。また今回、藤山さんの紹介で南海放
  送の林浩彦氏の番組「毎度」に出演させて頂き感謝致します。

☆ 松山では宮内宏・かなえご夫妻宅に、十日間もの間居候させて頂きました。
  久々に畳の上で眠り、体調を整えることができました。
  朝の温泉、夜の焼酎を飲みながらの語り合い、本当にお世話になりありがとう
  ございました。

☆ 沖縄のアルテにて友人のアキの紹介で出会った村上さんには、沖縄料理めん
  そーれつながりで多くの方に展示会を紹介して下さりました。村上さん、どう
  ぞ三線の方も精進して下さいね。ありがとうございました。

☆ とべ健食センターの野本さん、十数年ぶりに再会した坂和さん、猿楽石を案内
  して下さったビッキさん、ありがとうございました。

☆ 今治の真弓さん、かおりさん姉妹には、今治周辺のいくつかのイワクラを案内
  して頂きました。これからも、四国の石世界を教えて下さい。ありがとうござ
  いました。

☆ 今治の近藤夫妻、そして笠岡の中村夫妻には、これからの石巡礼へのいくつか
  の示唆を頂くことができました。誠に有難うございました。

☆ 緑山亭では、北海道からの新鮮な海の幸を使った料理に舌鼓を打ちながら、贅
    沢な時を過ごさせて頂く。朝まで飲み語り合い、色々なアドバイスを頂きあり
    がとうございました。

★ スケジュールの大幅変更のお知らせ
  当初は、松山展の後、四国石遍路と思っていましたが、事情によりしばし関東
  周辺に出稼ぎにゆきます。石遍路は冬になりそうです。年内は、九州、四国、
  関西方面の石巡礼を考えております。

◎ 〜須田郡司日本石巡礼途中報告のご案内!〜 

  この度、須田は6月中旬から7月中旬まで関東周辺を営業を兼ね、滞在してい
  ます。これまで訪ねた、関東、沖縄、奄美などの石の写真とお話を
  「日本石巡礼途中報告・スライドトークライブ」と題し、出前で開きたいと思
  っております。ご興味のある方は、須田まで電子メールでご連絡下さい、お待
  ちしております。


(このメルマガへの返信では直接届きませんのでご注意くださいませ)

◆ 友人の天川彩さんが童話詩を出版することになりました。ご案内させて頂きます。

  天川 彩 童話詩CDブック『石とお月さま』(評言社)定価2100円。
  六月中旬発売予定。全国有名書店にて。 ご興味のある方は、ぜひ読んで聞い
  てみて下さい。

◆ 猿田彦大神フォーラムの仲間である、札幌の三上敏視さんがCDをリリース
  しました。ご紹介させて頂きます。

MICABOX  featuring Ayako Takato 『ひねもす』 CTCR-14346  \2,854(税込価格)

札幌在住のマイカボックス=三上敏視は、90年代中頃から気功法「香功」のための
音楽製作や、リラクゼーションや気功、太極拳などのためのCD『気舞』 を発表す
るなど独自の活動を展開。97年から細野晴臣&環太平洋モンゴロイドユニットに参
加。99年からこのユニットに加わった高遠彩子をボーカリスト に迎え、楽曲製作
を開始。約3年をかけて完成したアルバムが『ひねもす』。全国各地の神楽のフィ
ールドワークと研究でも知られる三上敏視の日本の音楽の ルーツへのリスぺクト
とエレクトロニクスが響きあう、エキゾチックでマジカルな色彩にあふれたサウン
ドは、細野晴臣のサウンド・トリートメントとミック スによって「和の異郷」に
誘います。伝統とエレクトロニクスが織りなす異郷への航海。全曲細野晴臣ミック
ス&サウンド・トリートメントによるマイカボッ クスのデビューアルバムついに
完成。〜いづれが菖蒲か燕子花〜
CDショップにて販売。


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