■□□■ フォトダマ通信Vol. 4 「フォトダマ号ピンチ」の巻   ■□□■
                                    
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フォトダマ号の調子がおかしい!
それは、阪奈道路を走っている時だった。大阪での用事を済ませ、阪奈道路を奈
良に向かっている時、エンジンの調子がおかしいことに気付いた。高速ギアに入
れアクセルを踏むと不完全燃焼になり、力が入らないのだ。さっそく近くのスタ
ンドに寄り、聞いてみると、どうもプラグかプラグコードが悪いのではとの事た
った。さっそく奈良三菱サービスエ場に電話をかけ、何とか自力で走る事にした。
しばらくして、ならやま大通りを走っているとアラームランプが点灯し、坂道を
上らなくなってしまった。安全に注意しながら路肩に車を停めた。自力で進むこ
とが困難になった。さっそくJAF  (社、日本自動車連盟)のロードサービスを頼
む事にした。

JAFを呼ぶのは二回目だった。10月半ばに伊勢路を走っていて、休憩で休んだ
時、キーを付けたままロックしてしまい一時間後、JAFのサービスで開けてもら
った。その日、ちょうどJAFの会員になったばかりだった。
50分後、JAFのレッカー車がやってきて手際よく三菱サービスエ場まで運んでく
れた。ロードサービスは5キロまで無料だが、それを過ぎると1キロあたり60
0円かかる。工場までは8キロたった。三菱サービスエ場のスタッフの対応も早
く「プラグが減ってますね、三本交換しておきましたよ!」といい修理代は約六
千円で済んだ。助かったと思い、夜の中、交野市の磐船神社へと向かう。神社近
くにほどよい駐車スペースを見つけ、今夜の宿泊場所に決めた。

日本石巡礼キャラバンを始めて二ヵ月間になるが、車上生活もかなり慣れてきた。
だいたい宿泊する場所は、道の駅、24時間営業のファミレスやコンビニの駐車場
などが多い。地方であれば、見晴らしの良い場所に駐車する事も容易だ。
今夜は雑炊にしょう。カセットコンロを取りだし、鍋で玄米を炊き、沸騰してし
ぱらくして根菜類を入れる。キャラバン中の食事は、外食はほとんどせず、雑炊
や沖縄式味噌汁(具沢山)、インスタントラーメン、スパゲティなどが多い。
食事を終え、寝床の準備に取り掛かる。フォトダマ号の中には小さなソファーベ
ッドが入っている。これは友人から新品を安く手に入れたものだ。狭いながらも、
運転席の椅子を倒すと足を出すことができる。寝袋にモーフと布団で、もう何日
も寝ているがわりと快適である。蝋燭に火を灯し、ラジオを付ける。いつものよ
うにNHKのラジオ深夜便が流れる。この番組は何年も前からよく聞いていて「海
外レポート」や朝方の「心の時代」が特に気に入っている。今夜は少し贅沢をし
て、ワインを飲むことにしよう。昨日買った400円の赤ワインを開け、少し良い
気分になりムビラを弾きはじめる…。床につく頃には、久しぶりに星が車窓越し
に見えてきた。

翌日、磐船神社の巨大なイワクラ群を撮影し大阪方面に向かう。その日、東京で
見逃した「アレキサンドロス大王と東西文明の交流」展を観たいと思っていた。
兵庫県立美術館での展覧会は、かなり見応えがあり満足できるものだった。
フォトダマ号の異常に気付いたのは、再び大阪に入った時だった。クラッチを踏
むと、なにか引っ掛かりを感じ、なかなかギアが入らないのだ。昨日に続き、今
日も故障かと思った。さっそく大阪三菱に電話をかけ、何とか自力でサービスエ
場まで辿り着く事ができた。三菱のスタッフの第一声は「信じられへん!」たっ
た。説明によるとクラッチのペダルと繋がるワイヤーを固定していた溶接が取れ、
ペダルサポートが折れ曲がっているとの事。「こんな状態、今まで見たことあら
へんでー」と驚きながら話した。

12年前の車でしかも走行距離8万キロを越えているフォトダマ号。これからの修
理代を思うと不安が過る。まるで宣告を受ける被告人の心境だ。しぱらくすると
三菱のスタッフは見積書を持ってきて「だいたい4万円位ですね」と云う。かな
りショックだった。しかし、ニカ月間共に歩んで来たフォトダマ号の完治を祈り
つつ、修理をお願いする。

今、フォトダマ号は大阪三菱サーピスエ場の中で休養している。工場を後に、
一人夜の新世界へと向かった。

      石巡礼の途上、大阪にて  須田郡司 拝  2003.12.3

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